旋盤工はきつい?経験者が感じた7つの現実と将来性を解説

「旋盤工はきつい」「やめとけ」という口コミを見て、不安になっている方も多いのではないでしょうか。

確かに旋盤工は楽な仕事ではありません。立ち仕事が中心で覚えることも多く、加工ミスが許されない場面もあります。

しかし、インターネット上には昔の工場のイメージや一部の職場環境だけを見た情報も少なくありません。

私はNC旋盤を中心とした旋盤加工の仕事に携わっていましたが、実際に働いてみると「きつい部分」と同じくらい「面白さ」や「将来性」を感じる仕事でもありました。

この記事では、旋盤工がきついと言われる理由から、向いている人の特徴、給料や将来性まで経験者目線で解説します。

目次

旋盤工はきついと言われるのはなぜ?

まずは、旋盤工が「きつい」と言われる主な理由を見ていきましょう。

立ち仕事が多く体力を使うから

旋盤工は基本的に立ち仕事です。

材料の脱着や測定、段取り作業などで常に動き回るため、デスクワーク中心の仕事と比べると体力を使います。

特に入社したばかりの頃は、足や腰が疲れやすいと感じる人も多いでしょう。

加工ミスのプレッシャーが大きいから

旋盤加工ではミスが直接損失につながります。

数千円の材料ならまだしも、高額な材料や量産品を加工している場合は大きな損害になることもあります。

そのため責任感が求められる仕事です。

納期に追われることがあるから

製造業では納期が非常に重要です。

設備トラブルや加工不良が発生するとスケジュールが厳しくなり、忙しくなることもあります。

夏場・冬場の工場環境が厳しいから

最近は空調設備が整った工場も増えていますが、職場によっては夏は暑く冬は寒い場合があります。

特に古い工場では大変だと感じることもあります。

私は樹脂専門の旋盤工でしたので、年間を通して温度は一定に保たれておりました。
人間の為ではなく樹脂の為の空調ですが、ありがたかったです。

覚えることが多いから

旋盤工は単純作業ではありません。

  • 図面の読み方
  • 工具の知識
  • 加工条件
  • 測定方法
  • 材料の特徴

など、覚えることは非常に多いです。

昔よりは働きやすくなっている

一方で、現在の工場は昔と比べて大きく変化しています。

  • NC旋盤の普及
  • 自動化設備の導入
  • 空調完備の工場増加
  • 安全対策の強化

などにより、昔ほど「職人の勘だけで乗り切る仕事」ではなくなっています。

実際に旋盤工として働いて感じる大変なポイント

ここからは、私が旋盤加工の仕事を経験して感じたことを紹介します。

図面を理解するまでが難しい

未経験者が最初につまずくのが図面です。

私自身も最初は寸法公差や幾何公差の意味がほとんど分かりませんでした。

しかし、図面が読めるようになると一気に仕事が面白くなります。

段取りや工具選定に経験が必要

旋盤加工はボタンを押すだけではありません。

  • どの工具を使うか
  • どの順番で加工するか
  • どの条件で削るか

によって結果が変わります。

材料や加工条件によって結果が変わる

例えば、

  • MCナイロン
  • ジュラコン
  • PEEK
  • テフロン

では加工条件が大きく異なります。

同じプログラムでも仕上がりが変わるため、経験が重要です。

不良品を出したときの責任が大きい

加工経験者なら誰でも一度は失敗を経験します。

私も何度も材料をダメにしたことがあります。

しかし、その経験が技術向上につながるのも事実です。

旋盤工の仕事で楽しい・やりがいを感じる瞬間

自分で考えた加工方法がうまくいったとき

旋盤加工は問題解決の連続です。

自分で考えた方法で精度が出た時は達成感があります。

高精度な製品が完成したとき

ミクロン単位の精度が出た時は大きなやりがいを感じます。

技術が身につく実感を得られる

1年前にはできなかったことができるようになる仕事です。

一生使えるスキルになる

加工技術は転職や独立にも活かせます。

汎用旋盤とNC旋盤ではきつさが違う?

汎用旋盤の特徴と大変な点

汎用旋盤は手動操作が多く、職人技が求められます。

加工中も常に機械の動きを見ながら作業する必要があり、高い集中力が必要です。

NC旋盤の特徴と大変な点

NC旋盤はプログラムによって自動加工を行います。

ただし、プログラム作成や段取り、工具管理などの知識が求められます。

未経験者にはどちらがおすすめ?

現在の求人市場を考えると、未経験者にはNC旋盤がおすすめです。

求人数も多く、将来的なキャリアアップにもつながります。

旋盤工に向いている人の特徴

ものづくりが好きな人

旋盤工は1つの材料から図面通りの精密な部品を削り出す仕事です。
自分の手で白紙の状態から形を作り上げ、社会を支える製品の一部になることに喜びを感じられる人は大きなやりがいを持って働けます。

コツコツ作業するのが得意な人

旋盤の仕事はミリ単位の調整を繰り返す地道な作業が中心です。
派手な動きは少なく黙々と機械に向き合う時間が長いため、一つの作業に対して集中力を切らさずに根気強く丁寧に取り組める人が適しています。

機械や工具に興味がある人

汎用旋盤やNC旋盤など、扱う機械はどれも専門性が高く奥が深いです。
機械の仕組みを知るのが好きな人や、「どうすればもっと綺麗に削れるか」と刃物(バイト)の選定・研磨にこだわれる人は、技術の習得が非常に早いです。

問題解決が好きな人

気温による材料の歪みや刃物の摩耗など、想定外のトラブルが日常的に起こります。
「なぜ寸法がズレたのか」を論理的に分析し、原因を突き止めて改善していくプロセスを楽しめる人は一流の職人へと成長できます。

旋盤工に向いていない人の特徴

細かい作業が苦手な人

旋盤加工では、目に見えないレベルの極小のズレが製品の不良に繋がります。
「大体これくらいでいいだろう」という大雑把な感覚で作業をしてしまう人や、精密な測定器を扱うのが苦痛に感じる人には不向きな職種です。

ミスを極端に気にしてしまう人

加工には失敗や試行錯誤はつきものです。
一つのミスに対して過度に落ち込んでしまうと、次の作業に集中できずかえって大きな怪我や事故に繋がることがあります。ミスを受け止め、次に活かす切り替えの早さが必要です。

大きなミスをすると凹みますけどね…!切り替えて作業します

毎日同じ作業が苦手な人

特に量産品を扱う現場では、同じ手順の加工を1日中繰り返すケースが少なくありません。
変化や刺激、クリエイティブな企画業務などを仕事に求める人は、毎日のルーティンワークに対して退屈さを感じてしまう可能性が高いです。

樹脂加工は多品種小ロット加工な事が多いため、ものづくりは好きだけど同じことをずっと続けるのは…な方には樹脂加工おすすめです。

体を動かす仕事が嫌な人

基本的には立ち仕事であり、重い材料の運搬や機械のセッティングなど、体力を使う場面が多々あります。
また、夏は暑く冬は寒い工場特有の環境もあるため、デスクワークを希望する人や体力を動かすのが苦手な人には厳しい環境です。

旋盤工の給料・将来性はどうなのか

旋盤工の平均年収

一般的には300万円〜500万円程度ですが、経験や地域によって差があります。

プログラム作成や段取りまでできる人材になると、さらに高年収を目指せます。

NC旋盤オペレーターの需要

製造業では慢性的な人材不足が続いています。

そのため、NC旋盤オペレーターの需要は高い状態が続いています。

技術者不足で将来性は高い

加工技術を持つ人材は年々減少しています。

AIや自動化が進んでも、段取りや加工ノウハウを持つ技術者の価値は高いままです。

年収アップを目指す方法

  • CAD/CAMを学ぶ
  • マシニングセンタも扱う
  • プログラム作成まで担当する
  • 転職で条件アップを狙う

などが有効です。

旋盤工がきついと感じたときの対処法

職場環境を変える

同じ旋盤工でも会社によって環境は大きく異なります。

空調設備や残業時間、教育体制などを見直してみるのもおすすめです。

NC加工やCAMを学ぶ

スキルアップすることで仕事の幅が広がり、より条件の良い職場への転職もしやすくなります。

転職してスキルを活かす

経験者であれば待遇アップで転職できるケースも少なくありません。

旋盤工に関するよくある質問

旋盤工は未経験でもなれる?

なれます。
実際に未経験歓迎の求人も多くあります。

女性でも旋盤工になれる?

可能です。
NC旋盤中心の職場では女性も活躍しています。

旋盤工は何年で一人前になる?

一般的には3〜5年程度が目安です。

将来的に独立できる?

十分可能です。
実際に町工場として独立している方も多くいます。

旋盤工は資格が必要?

必須資格はありません。
未経験からでも始められる職種です。

まとめ

旋盤工がきついと言われる理由は、

①立ち仕事が多い
②加工ミスのプレッシャー
③納期に追われる
④工場環境が厳しい
⑤覚えることが多い
⑥図面読解が難しい
⑦段取り・工具選定が難しい

など、体力面や責任の重さ、覚えることの多さにあります。

しかし、その一方で技術が身につき将来性も高い仕事です。

単純な作業ではなく、考えながらものづくりができる点に私は大きな魅力を感じました。

「きつい」という部分だけで判断するのではなく、自分に向いている仕事かどうかを見極めることが大切です。

特にものづくりが好きな方にとっては、一生モノの技術を身につけられる魅力的な仕事と言えるでしょう。

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