プラスチック加工におすすめのチップ10選|樹脂加工の失敗を防ぐ選び方

プラスチック加工を行っていると、

  • バリがなかなか減らない
  • 仕上げ面が荒れる
  • ビビりが発生する
  • 樹脂が溶ける
  • チップを交換しても改善しない

といった悩みに直面することがあります。

こうしたトラブルは切削条件だけでなく、チップ選定が原因になっているケースも少なくありません。

実際にMCナイロンやジュラコンなどの樹脂加工では、金属加工と同じ感覚でチップを選ぶと思うような仕上がりにならないことがあります。

この記事では、プラスチック加工に向いているチップの特徴から、材質別のおすすめチップ、加工トラブルへの対策まで現場目線で解説します。

目次

プラスチック加工でチップ選びが重要な理由

金属加工用チップではトラブルが起きることがある

樹脂加工では、金属加工用として一般的なチップが必ずしも最適とは限りません。

金属向けチップは切削抵抗を考慮した設計になっているため、樹脂加工では刃先が材料を押しつぶしてしまうことがあります。

その結果、

  • バリが増える
  • 寸法が安定しない
  • 仕上げ面が悪化する

といった問題が発生します。

バリ・溶け・ビビりはチップ選定が原因の場合もある

加工トラブルの原因は切削条件だけではありません。

例えば、

  • バリが出る → 刃先が鈍い
  • 溶ける → 切削熱が大きい
  • ビビる → チップ形状が合っていない

というケースもあります。

樹脂加工は「切る」のではなく「削ぎ取る」感覚が重要

金属加工では材料を切断する感覚ですが、樹脂加工では鋭利な刃先で削ぎ取るイメージが重要です。

特にMCナイロンやジュラコンでは、刃先の鋭さが仕上がりを大きく左右します。

プラスチック加工に向いているチップの特徴とは?

鋭い刃先が重要な理由

樹脂は柔らかいため、刃先が摩耗すると材料を押し潰しやすくなります。

結果として、

  • バリ
  • 毛羽立ち
  • 面粗度悪化

が発生しやすくなります。

樹脂加工では新品に近い鋭い刃先が理想です。

逃げ角が大きいチップが有利な理由

逃げ角が小さいと材料との接触面積が増え、発熱しやすくなります。

特に、

  • アクリル
  • テフロン
  • PP

などは熱の影響を受けやすいため、大きな逃げ角が有利です。

ポジティブチップとネガティブチップの違い

ポジティブチップとネガティブチップの大きな違いは、「刃先に角度(逃げ角)がついているかどうか」です。

ポジチップには刃先に逃げ角が付いていて、ネガチップには逃げ角がありません。

一般的に樹脂加工ではポジティブチップが向いています。

種類特徴
ポジチップ切れ味が良い・切削抵抗が小さい
ネガチップ強度が高い・重切削向き

樹脂加工では切削抵抗を減らしたいので、ポジチップを選ぶことが多くなります。

超硬チップとハイス工具はどちらが向いている?

基本的には超硬チップで問題ありません。

ただし、

  • 材質が柔らかい樹脂でなおかつ面粗を出したいとき
  • 特殊形状

ではハイスバイトを研磨して使うこともあります。

プラスチック加工におすすめのチップ10選

MCナイロン加工におすすめのチップ

MCナイロンは切削性が良い反面、発熱による寸法変化に注意が必要です。

おすすめは、

  • 京セラ DCGT系
  • タンガロイ DCMT系
  • 三菱マテリアル VBGT系

です。

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ジュラコン加工におすすめのチップ

ジュラコンはバリが発生しやすい材料です。

鋭利な刃先を持つポジチップが向いています。

おすすめ

  • 京セラ VCGT系
  • 住友電工 DCGT系
  • タンガロイ VBGT系
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PEEK加工におすすめのチップ

PEEKは樹脂の中でも硬く、高温環境にも強い材料です。

超硬チップが基本になります。

グレードや求められる精度によってはダイヤ工具も使用します。

京セラさんのKPD001シリーズには大分お世話になりました

アクリル加工におすすめのチップ

アクリルは熱による割れやクラックが発生しやすい材料です。

切れ味重視のチップがおすすめです。

表面を綺麗に切削したい場合はダイヤを使用することも。

汎用性の高いチップ5選比較

メーカーおすすめシリーズ
京セラDCGT
タンガロイDCMT
三菱マテリアルVBGT
住友電工DCGT
イスカルVCGT

チップ形状によって仕上がりはどう変わる?

VNMGが向いているケース

  • 荒加工
  • 強度重視

に向いています。

ただし樹脂加工ではやや不向きな場合があります。

CNMGが向いているケース

耐久性が高く量産向きです。

重切削向けのため樹脂では使用頻度は低めです。

DCMTが向いているケース

樹脂加工との相性が良く、

  • 外径加工
  • 内径加工
  • 仕上げ加工

で使いやすい形状です。

樹脂加工で使いやすい形状とは?

私自身は、

  • DCGT
  • VCGT
  • VBGT

のような鋭利なポジ形状を使うことが多いです。

加工トラブル別のチップ選定方法

バリが出る場合の対策

確認ポイント

  • 刃先摩耗
  • ポジチップか
  • 逃げ角不足
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ビビりが出る場合の対策

  • チップ形状
  • 突き出し量
  • ホルダー剛性

を確認します。

溶けや変形が起きる場合の対策

  • 回転数を下げる
  • 刃先を新品にする
  • 切込み量を調整する

ことが有効です。

面粗度が悪い場合の対策

面粗が悪い場合はチップ交換だけで改善するケースもあります。

まずは刃先状態を確認しましょう。

加工で私が実際に意識していること

MCナイロンで仕上げ面を良くするコツ

私の場合、MCナイロンではサーメットチップを使用し新品チップに近い状態を維持することを重視しています。

わずかな摩耗でも面粗度に影響することがあります。

ジュラコンでバリを減らすコツ

ジュラコンでは切削条件よりも刃先状態の影響を強く感じます。

加工条件が同じでもチップ交換で改善することが少なくありません。

チップ交換より切削条件を見直すべきケース

チップが原因ではなく、

  • 回転数
  • 送り
  • 切込み

が原因の場合もあります。

チップ選びと切削条件はセットで考えよう

回転数との関係

回転数が高すぎると、

  • 発熱
  • 溶け
  • 寸法変化

につながります。

送り速度との関係

送りが遅すぎると材料を擦りやすくなります。

切込み量との関係

極端に浅い切込みはバリの原因になることがあります。

チップだけ変えても改善しない理由

加工品質は、

  • チップ
  • 回転数
  • 送り
  • 機械剛性

すべてのバランスで決まります。

プラスチック加工のチップに関するよくある質問

樹脂加工にコーティングチップは必要?

必須ではありません。まずは刃先形状を優先して選びましょう。

新品チップと再研磨では違う?

微細な刃先形状が変わるため、仕上がりに影響する場合があります。

ハイスバイトでも加工できる?

可能です。
特に特殊な形状の加工では現在でも大活躍しています。

初心者におすすめのチップは?

まずはDCGT系のポジチップから試すのがおすすめです。

まとめ

プラスチック加工では、チップ選定が加工品質を大きく左右します。

特に樹脂加工では鋭い刃先と大きな逃げ角が重要です。

またMCナイロン・ジュラコン・PEEK・アクリルなど、材料によって最適なチップは異なります。

バリやビビり、面粗度不良などのトラブルもチップ形状や刃先状態によって改善できる場合があります。

ただしチップだけに注目するのではなく、回転数や送り速度などの切削条件も合わせて見直すことが大切です。

樹脂加工の品質向上を目指すなら、「材料に合ったチップ選び」と「適切な切削条件」の両方を意識しましょう。

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